1 | (1) A (2) B (3) B (4) ① A ② A (5) C |
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2 | (1) A (2) A (3) A |
3 | (1) A (2) A (3) A (4) B |
4 | (1) B (2) C (3) C |
5 | (1) B (2) B |
A…フェリス女学院中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題
今年の問題の全体的な特徴は、前半の文章題はひねりが少なくストレスなく解き進められる問題が並んでいる一方で、後半の平面図形、立体の問題が難しくなっています。
また、大問の構成について、(2)と(3)で同レベルになっている問題があり、得点できた人とできなかった人の差が大きく開いていると思われます。
円を扱った平面図形の問題は、この学校の大きな特徴ですが、今年は難度が高く、合否を分ける問題ではなかったといえます。ただ、この分野は本校の大きな特徴ですので、円の性質について、踏み込んだ対策が必要不可欠です。
今年の算数の受験者平均点は100点満点中46点でした。とるべきところと捨て問とを見極め、とるべきところで落とさず得点すると、6割は超えます。難度の低い前半で失点すると、挽回は困難でしょう。
ボリュームもしっかりあるので、スピードが必要なのはもちろんですが、単に作業や計算が速いだけでは不十分です。
問題に接したときに、問題の構造そのものをつかんで、見通しよく解くのと、理解不十分なまま作業に入るのとでは、大きな差がつきます。見通しよく解ける生徒に有利な問題が多く見られます。また捨て問を見抜くスピードも重要です。
そうした洞察力を磨くためには、日々問題にあたっていく際、どういうことが問われているのか、どのようなつくりになっているのか、とじっくり考えることを怠らない学習姿勢を大切にしてほしいと思います。
基本的な計算問題です。
対角線で区切られた4区画の面積比がすぐにわかるので、150°を利用して1区画求めれば終わりです。ここでじっくり考えているようだと厳しくなります。
割合。本題については後述します。
規則性。繰り返しになるポイントを見つけるために計算を続けますが、いわゆるフィボナッチ型なので、「連続する2つの数」で同一のものが2回目に現れる瞬間を目指して作業を行うことが重要です。同一ペアが現れたら、その先は繰り返しです。
②では「45番目から81番目」とあり、連続する36個の数の和を求めます。36が繰り返しの周期=12個の倍数になっているので、連続する36個の和は、どこから切り取っても同じものが取り出せる、ということに気づくと、さらにスピーディーに解決できます。
つまり、1番から12番までの和を3倍すれば終わりです。
与えられた式のままで、あれこれ当てはめようとすると、はまります。
式を変形して
の形まで、もしすぐにたどり着けるなら、イ=100にすることで分子=1を作れることがわかります。
もしくは
を、おなじみの単位分数分解
とにらめっこして比べる、というのはかなり有力な方法でしょう。
このように、与えられた式のままだとうまくいかないときは、変形したり、自分の知っているパターンと結びつける、と考えて攻めていきたいですね。
時間を浪費する可能性を察知したら、躊躇せず次の問題に進むのが「正解」でしょう。はまるくらいなら、やらない。みんなができないところは合否に影響しません。
点の移動なので、一瞬、煩雑そうで後回しにしたくなるかもしれませんが、読んでみると、あっさりした数値設定でほぼひねりなし。時間も手間もかからないので、先に着手した人は有利だったと思います。2(2)と2(3)ではほぼ同じことが繰り返し問われています。
差はつかないでしょう。
差はつかないでしょう。
今度はADが固定されています。そのADを底辺と考えると、底辺は全体のは 倍になっています。
面積は 倍とありますから、高さの比は
です。これでQCのABに対する比が出せました。
定価は原価の1.25倍ですから、定価を25%引きしてしまうと、元の金額に戻りません。ただここで引っかかる人はいないでしょう。
1個の原価を1とすると、10個入り1セットの値段は12.5となります。今のところ原価は10ですから、あと2個増やしても原価=12で、利益が出ます。
1セットの値段を問題文の通りに計算します。初めの1個の売り値を1.25として、
1.25 × 18 ×0.94 = 21.65
これを20個の原価=20と比べると、利益の割合が分かってしまいます。
円の性質(円周角、中心角など)はフェリスの大きな特徴です。
今回は直角三角形に内接する円を考える問題です。内接円の中心のことを、三角形の「内心」と呼びます。
内心と、三角形の3頂点をそれぞれ線で結んでみます。すると、OF,OB,OEはそれぞれの角の二等分線になっています。これを利用します。慣れていないと時間がかかるかもしれません。
(1)で あ=135°を答えさせられたので、扇形=18.84が求まり、網掛け部分の面積と、足し算したくなるようにできています。
実際に足し算すると… △OFEの面積が48とわかります。同時にEF=24もわかるでしょう。
ここで少し考えて、
中心Oから、直角三角形の3辺に垂線を下ろすと直角三角形は6つの三角形に分かれ、2個ずつ合同な直角三角形のペアが出来上がっています。ここまでくると全体像が見えてきます。
この合同を用いて面積を移していくと、残りは正方形になっていますから、これで最終的に面積が求まります。
結局直角三角形の3辺の和を求める、ということに1秒で気づきそうですね。
先ほどの合同で、今度は辺の長さを移動していくことになります。
沈める立体が柱状でないのが大きな特徴です。
いつも使っている面積図を描こうとするとうまくいかないかもしれません。
立体のうち、水中に沈んだ部分の体積が、水位1cm分の見かけの体積変化と等しくなります。これに気づくことができれば、問題ないでしょう。
下から1層ずつ、水の量を丁寧に調べていきます。
下から何層目に水面が現れるか考えながら作業を行います。
1(3)を取り上げます。1個の小問にすぎませんが、前半に位置しており、いけそうならしっかり答えを出したいですし、しんどそうならまずは後回しにする、という
試験全体における分岐点
といっても過言ではない問題だと思います。
まずAはBとCの合計のに等しいとあります。ですが、よく考えると、
結局「Aは全体の 」と言い換えることができます。
同じようにBは全体の だとわかり、これよりCは 全体の だということもわかります。
これで、「ABの和の 」は、 と表すことができました。
これに26Lを合わせたものが全体の にあたるCと等しいので、差額の として、
と、無難にに求めることができました。
仮に問題文の通りに式を並べていくと、試験時間の序盤に、「答えが出ないっ!」という状況が発生します。試験全体に影響する危険があります。
最初の段階で、結局Aは全体のである、という具合にしっかり構造把握ができていれば、途中も見通しよく解いていくことができる、そんな問題の典型でした。